日本国内のストリートピアノを紹介します。
日本のストリートピアノの草分けとなった鹿児島のプロジェクトの代表の方に、取材をさせていただきました。
◆2011年〜 鹿児島のストリートピアノ・プロジェクト
使われなくなった古いピアノを調律して色鮮やかに装飾し命を蘇らせ、
だれもが自由に演奏できる・・・
「食と文化の情報発信交流拠点」を目指す鹿児島県の商店街が、
アジア・日本で初めて、このストリートピアノ(常設)という試みに取り組みました。
「気持ちのやすらぐ音色がいつでも響いている商店街として、お客様をもてなしたい。」
・・・という考えのもと設置された、鹿児島・一番商店街のストリートピアノ。
いつでも誰でも気軽に商店街の中でピアノが弾けて楽しめる。
笑顔の周りに人は集まり、幸せになれる。
通りがかった人がピアノで何かを弾き、それをまた通りがかった人が聴き、足を止め会話が生まれ、人と人との繋がりが生まれていきます。
きっかけは、一番街商店街で年2回行われる物産展のイベントとして催された、「ストリートオルガン」でした。
鹿児島では、2011年3月12日に九州新幹線全線開業を控え、
盛り上がる商店街を更に活気づけていこうと、いよいよ機運が高まっていました。
そこで、何かできないかと商店街から相談を受けたのは、「鹿児島まち自慢快発考舎」の、有志の方たち。
「商店街でストリートオルガンをやったことでストリートピアノの発想につながりました。
WEBで検索してみると、すでにイギリスで『Play Me, I'm Yours』というストリートピアノのツアーが行われていたんですね。」と、
背中を押してもらえたような気持ちだったとのこと。
商店街の方はこう続けます。
「私たちはツアーはできないので、まずは鹿児島中央駅隣接の商店街・集客施設に、
地域振興・活性化のひとつとして生かしていただこうと提案しました。
一番街商店街へストリートピアノ2台を常設できたことを皮切りに、
現在では霧島市(1台)、鹿屋市(2台)、枕崎市(1台)、鹿児島空港ビル(1台)、
そして宮城県南三陸町さんさん商店街(1台)、計5市町・8台常設することができました。」
だれもが自由に弾いて・聴いて・楽しめる、新しいかたちの「まちのいいところ」。
こうして日本にも、誕生しました。
一部引用:鹿児島市一番商店街
http://www.c-itibangai-iddo.jp/street_piano/index.html
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◆2013年〜 宮城のストリートピアノ・プロジェクト
東日本大震災からちょうど2年後の2013年3月11日、鹿児島市と、東日本大震災の被災地、南三陸町で、
「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニーコンサート」が行われました。
南三陸町のピアノは、鹿児島市商店街から寄贈されたストリートピアノです。
ピアノは、鹿児島市でピアノ教室を営んでいた女性が、無償で提供されたそうです。
「ピアノの音色で少しでも被災者が癒やされれば」との願いがこめられています。
贈り先の、南三陸さんさん商店街は、
津波で壊滅的な被害を受けましたが、
2012年2月、仮設の店舗で営業が再開され、
精肉店や理髪店など約30店が軒を連ねています。
復興は少しずつ進んでおり、地元住民だけでなく観光客も訪れるようになったとのこと。
商店街の人々は「ピアノが きっかけとなり、さらに多くの交流が生まれてほしい。
南三陸町は音楽が盛んな地。津波で楽器を流されるなどした子どもたちも喜ぶ」とストリートピアノに期待を寄せています。
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◆今後は・・・?!
これから、日本でも各地できっと、
ストリートピアノがひろがっていくでしょう。
鹿児島ストリートピアノ・プロジェクトの方はこう語ります。
「2013年春から、ストリートピアノ前線は鹿児島県本土はもとより、鹿児島県離島の屋久島・種子島、奄美、そして沖縄へ南下。
宮崎・熊本・福岡、本州・東北・北海道へと、草の根如く拡がっていけばと夢を描いています。」